「きょうの健康」最新!認知症予防、14のポイント!

頭スッキリ!

みなさん、NHKの「きょうの健康」という番組はご覧になっていますか?

先日の番組で、現時点での認知症予防の最新情報が取り上げられていました。それは「最新!認知症予防14のポイント」

記憶力や判断力が低下して日常生活に支障が出る認知症。超高齢化社会になり、認知症になる人はこれから増えていくと言われています。
2025年に471万6,000人、2040年には584万2,000人で高齢者のおよそ15%、6.7人に1人が認知症になる可能性があるそうです。

しかし昨年、認知症を発症させる14のリスクと、そのリスクを減らすことで認知症発症を45%防いだり、遅らせたりすることができるという報告書が出されているそうです。
とても気になりますね。早速見ていきましょう。

最新!認知症予防、14のポイント

番組内で教えてくださったのは岐阜大学脳神経内科の下畑享良教授。
昨年報告されたリスク、その対処法、そして14のリスクには含まれてはいないが重要視すべき2つのポイントを教えてくれました。

認知症発症の14のリスクとは

2024年、ランセットという国際委員会による発表があったそうです。
認知症は急になるものではなくて、長い時間をかけて脳の中に変化が起こって発症すると考えられているそう。そして論文では、脳にマイナスの変化を与える14のリスクが示されたのです。

認知症になりたくないけれど、どうしていいのかわからないという人が多いのではないかと思いますが、これらのリスクを知る事で認知症の予防を行うことができそうですね。

生涯を3つの時期に分けて、それぞれの時期にどのようなリスクがあり、それらがどの程度認知症になる危険性を増すのかを示したのが以下の図です。

14の危険性を全て合わせると45%になります。これらのリスクへの対策を積み重ねる事で、認知症の発症を最大45%防いだり遅らせたりすることが出来る、ということが示唆されたのです。

心当たりのあるものがあれば改善して、予防につなげていきたいですね。

14のリスクに対する対策とは

ではこれらのリスクを回避するためには、何をすればよいのでしょうか。
下畑教授がスタジオで示してくれた策と、ランセットの報告に記載されていたヒントをまとめてみます。

① 教育によって脳のネットワークを鍛えることによって認知予備脳をアップし、脳の一部に何か不都合なことが生じても、それを補うことができるようにする。生涯に渡って新しいことを学び続けることも大切。

②LDLコレステロールが高くなると動脈硬化に繋がる。脳卒中のリスクも上がり、アルツハイマー型認知症の原因物質と言われているアミロイドβもより蓄積しやすくなる。運動や食事で対策し、それでも低下しない場合はスタチン等の治療薬によって下げていく必要がある。

③ヘッドホン難聴を避けるため、ヘッドホンは適切な音量で使う。中耳炎やメニエール病は積極的に治す。高齢になり難聴になった場合は、補聴器を使用することで認知症リスクは17%も下げることができる。

④うつ病は早期に適切な治療を行う。

⑤頭部の外傷を受けないように配慮する。たとえば自転車運転時のヘルメット着用等。

習慣的に適切な運動を行う。運動が不足するとそれだけで認知症リスクである高血圧、糖尿病、肥満につながる。運動することで脳の血流も増え、神経の炎症も抑えられる。

食事や運動により血糖値のコントロールを行う。

禁煙する。

⑨動脈硬化が高血圧の一因になる。運動や食事への配慮で動脈硬化を防ぎ、塩分摂取にも留意し、血圧を下げる。下がらない場合は適切な治療を行う。

BMIを25未満に保てるよう、運動や食事に配慮する。

過度の飲酒は脳の一部を萎縮させるため、アルコール摂取は週75g未満(350mlのビール5.4本)に留める。

⑫65歳を過ぎると退職や家族に先立たれるなどで社会的孤立に陥ることがある。脳への刺激が減少し、ストレスが増えたりする。周囲のサポートが大切で、デイケアやデイサービスの利用、ボランティア活動を行ったり、趣味のサークル活動等で人に接する時間を増やす努力をする。

⑬PM2.5、二酸化窒素、一酸化炭素がリスクとなり、アミロイドβがより蓄積しやすくなる。個人でできる対策には限りがあり、国家的な対策が求められる。→ PM2.5分布予報等に注目し、高濃度の時にはなるべく外出を避ける、PM2.5を通さないマスクを着用する等の工夫は可能ですね。

⑭目から入る情報は脳に大きな刺激となる。白内障、緑内障、糖尿病等は早期に治療し、目からの情報を減らさないようにする。

リスクに対する対策の開始は早ければ早いほどよく、生涯を通じてリスクを低く保つことを目指していくべきだそうです。
私達も自分のこととしてこれらの対策を行っていきたいですね。

下畑教授の提言

14のポイントの他に、下畑教授は重要視すべきものとして、睡眠時間と食事についても言及されていました。

  • まず睡眠については、不眠症等の睡眠障害がリスクになる、と。なぜなら寝ている間に脳は老廃物を排出しているからです。理想的な睡眠は7時間、6時間未満のかたは30%リスクが増えるとも言われていました。
  • リスクを低減させるために効果的な食事も教えてくださいました。それは、地中海食と、適量の赤ワイン、緑の葉の野菜。オリーブオイルや魚介、ファイトケミカル豊富なトマト等、地中海地方で食されているものは確かによさそうですね。

14のポイントを活かして認知症を防ごう!

リハビリ特化デイサービスにも認知症を患っているかたが通われています。
その方たちと日常的に接しているため、私達スタッフも他の利用者さまたちも、決して人ごとではなく、いつ自分がそうなるかわからない病なのだと思っていました。

これまでも、幾つかの記事で認知症については考えてきましたが、この14のポイントを知ることが出来たのは本当に光明です。

定期的な運動、禁煙、過度の飲酒を避ける、健康的な食事、中年期以降のワクワクドキドキするような認知活動。これらのライフスタイルによって、認知症リスクを低下させるだけでなく、認知症の発症を遅らせることができるかもしれません。
シニアのQOLを保ち続けるだけでなく、社会的にみても介護問題を解決し、大幅な介護費用削減に貢献することになりそうですね。

こちら↓の記事もチェック!

タイトルとURLをコピーしました